火災共済における水漏れ損害の保障は、主に「同一建物内の他人の居室からの水漏れ」と「給排水設備に生じた不測かつ突発的な事故による水漏れ」の2つのケースが対象です。
それぞれ、詳しく説明します。

同一建物内の他人の居室からの水漏れ

マンションやアパートなどの集合住宅において、上階の住戸で発生した水漏れにより、ご自身の居室に損害が生じた場合、民事上、上階の方に賠償していただきますが「何らかの理由で賠償されない」「賠償されたが損害額に満たない」場合に、火災共済から保障を受けることができます。

給排水設備に生じた不測かつ突発的な事故による水漏れ

ご自身の居室内の給排水設備から発生した突発的な水漏れ事故による損害が保障されます。
給排水設備に含まれるものと、不測かつ突発的な事故の具体例についてご紹介します。

給排水設備に含まれるもの

ここでいう給排水設備とは、建物内に水を供給したり、水を排出したりする設備を指します。

具体的には以下のようなものです。
・給水管
・排水管
・台所や洗面所の流し台
・湯沸し器
・洗濯機
・浴槽
・トイレの水洗用設備

これらの設備から発生した予期せぬ水漏れにより、建物や家財に損害が生じた場合に保障を受けられます。

不測かつ突発的な事故の具体例

「不測かつ突発的な事故」とは、予測できず突然発生した事故で、原因や発生日時がはっきりしているものを指します。
例えば以下のようなケースです。
・洗濯機の排水ホースが突然外れた
・排水管が詰まって逆流した

「予見できない事故が突然発生した」ことがポイントです。

火災共済で保障されない「水漏れ」の例

一方で、以下のような水漏れは火災共済の保障対象外となります。

【自然現象によるもの】
・台風や豪雨による雨漏り
・洪水による浸水

【経年劣化や自然の消耗によるもの】
・配管の腐食やさびによる水漏れ
・長年の使用による設備の劣化
・かびや虫害による設備の損傷

【予見可能な事故】
・トイレに紙おむつなど流してはいけないものを流した結果の詰まり

【共用部分で発生したもの】
・共同住宅の共用部分の配管トラブル
・管理組合が管理する設備の故障

これらのケースについては、以下のコラム「経年劣化による水漏れに共済金が支払われないのはなぜ？」で詳しく解説していますのであわせてご覧ください。


なお、水漏れ保障では、給排水設備自体の修理代金は対象外です。
あくまで「水漏れによって濡れた床や家財などの損害」が保障の対象となる点にご注意ください。

水漏れ被害を与えてしまった場合はどうなる？

ご自身の居室で発生した水漏れにより、階下の住戸に損害を与えてしまった場合についても、火災共済では漏水見舞費用共済金を用意しています。

漏水見舞費用共済金

不測かつ突発的な事故による水漏れで他人の居室に被害を与え、見舞金を支払った場合に、漏水見舞費用共済金が支払われます。

横浜市民共済では、1世帯あたり40万円を限度として、1回の事故につき合計100万円又は共済金額の20％のいずれか少ない額をお支払いします。


漏水見舞費用共済金が適用される条件
漏水見舞費用共済金が支払われるためには、以下の条件を満たす必要があります。
水漏れの原因が不測かつ突発的な事故であること
実際に見舞金を支払ったこと

まとめ：火災共済の水漏れ保障の対象を正しく理解しよう

火災共済では、給排水設備に生じた不測かつ突発的な事故による水漏れ被害が対象となります。
自宅の洗濯機のホースが外れた場合や排水管の詰まりによる逆流などのほか、集合住宅で上階の住戸からの水漏れで被害を受け、上階から賠償されなかった場合なども対象です。

ただし、自然現象や経年劣化による水漏れは対象外となるため、日頃から設備点検を行なっておきましょう。

また、階下の住戸に水漏れ被害を与えてしまい見舞金を支払った場合は、漏水見舞費用共済金もあります。
水漏れ事故に遭った際は、日時や状況を記録し、速やかに横浜市民共済にご連絡ください。