老後資金に個人年金保険はおすすめ?メリット・デメリットを解説
2024年09月20日
皆さんこんにちは。横浜市民共済生活協同組合です。
老後の生活に備えるためには、国民年金や厚生年金といった公的年金があります。
ただそれらの公的年金では足りないのではないかと不安を感じている方も多いでしょう。
老後資金の準備の選択肢の一つに、個人年金保険があります。
今回のコラムは、老後資金としての個人年金保険についてのお話です。
個人年金保険の種類や特徴、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。
【目次】
老後資金を保険でまかなう必要はある?
退職後の老後の生活には、どのくらいの生活費がかかるかご存じでしょうか?
ゆとりある老後の生活のためには、単身世帯で月額約17.2万円、夫婦2人世帯で月額約37.9万円が必要とされています。
一方で、公的年金の支給額は、国民年金が満額の場合で1人月額6.8万円。※1
厚生年金の場合は、会社員と専業主婦(第3号被保険者)の夫婦2人分合わせて月額約23万円が目安です。※2
※1 2024年度の年金額の例。40年間満額納付の場合
※2 2024年度の年金額の例。平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合の給付水準
※実際の支給額は個人の納付状況により異なります。
夫婦2人世帯では、最低限必要な生活費が23.2万円といわれており、ゆとりのある生活のためには、公的年金だけでは月額10万円以上不足してしまいます。
ゆとりのある生活というのは、例えば、旅行や趣味に使うお金があることや、医療費、介護費用、住宅の修繕費など、生活費以外の支出もまかなえる状態のことです。
このような不足を補うためには、個人でも老後資金を準備しておく必要があります。
その選択肢の一つとして今注目されているのが、個人年金保険です。
なお、備えが必要なのは老後資金だけではありません。
こちらのコラムでは、災害の避難に向けて高齢者がしておくべき備えや注意点などをまとめていますので、あわせてぜひご覧ください。
災害時の高齢者の避難対策は?事前の備えや避難・避難後の注意点を確認
老後資金の足しにできる個人年金保険とは?
個人年金保険とは、公的年金に加えて老後の資金を補完する目的で、個人で加入する私的年金保険です。
所定の年齢まで保険料を払い込み、契約に定める受け取り開始時期から一定期間または終身にわたって年金を受け取ります。
個人年金保険の種類や特徴をご紹介します。
個人年金保険の種類
個人年金保険には、主に「終身年金保険」「有期年金保険」「確定年金保険」の3種類があります。
終身年金保険
終身年金は、受取人が生きている限り、受け取り開始時期から一生涯にわたって年金を受け取ることができる保険です。
長生きした場合にも一定の収入を確保できるのがメリット。
しかし、早期に死亡すると、受取金額が払い込んだ保険料よりも少なくなる元本割れのリスクがあるのがデメリットです。
有期年金保険
有期年金は、契約時に定めた一定期間年金を受け取ることができる保険です。
年金の給付期間中に受取人が死亡すると給付が終了するため、早期に死亡すると元本割れのリスクがあります。
確定年金保険
確定年金は、受取人の生死にかかわらず、契約時に定めた一定期間にわたり年金を受け取ることができる保険です。
受取期間中に受取人が亡くなった場合、残りの年金は遺族が受け取ります。
保険料の支払い方
保険料の支払い方は主に「一括払い」「分割払い」の2種類で、ライフスタイルに合わせて選択可能です。
一括払い
保険料の支払総額が分割払いよりも割安になります。
分割払い
年払い、半年払い、月払いなどを選べます。
支払い回数が少なくなるほど、割引率が高くなるケースがほとんどです。
年金の受取額
年金の受け取り方は「定額型」「変動型」の2種類があり、商品や契約内容などによって異なります。
定額型
契約時に取り決めた金額を受け取ります。
変動型
運用実績により受取額が変動します。
運用により受取額が増える可能性がある一方、元本割れのリスクもあります。
老後資金を保険で備えるメリット・デメリット
個人年金保険を活用することで、老後資金を効率的に準備することができますが、同時に注意すべき点も存在します。
個人年金保険を老後資金として準備するメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット①計画的に積み立てられる
個人年金保険の保険料は、決まったタイミングで決まった額を支払っていきます。
銀行の指定口座から自動的に引き落とすことが多いですが、会社員など団体共済に加入している場合は給与天引きされるケースも。
強制的に積み立てられていくため、計画的に老後資金を準備することができます。
メリット②節税になる
個人年金保険の保険料は、所得控除の対象となります。
年末調整や確定申告で申告することで、所得税や住民税を節税できる可能性があります。
メリット③受取率が高くなる可能性がある
契約内容や支払い方・受け取り方、運用状況によって、将来の年金受取率が高くなる場合があります。
メリット④老後資金のプランが立てやすくなる
投資と違って将来に受け取る金額がわかっているため、公的年金とあわせて退職後の収入の目安がつけやすいです。
そのため、必要な貯蓄額や支出計画など、老後の生活設計を立てやすくなります。
デメリット①インフレリスクがある
定額型の個人年金保険では、契約時に受取金額が決まります。
年金保険加入後に急激なインフレが発生すると、固定された年金額では生活費を賄うことが難しくなる可能性があります。
デメリット②途中解約のリスクがある
個人年金保険を途中で解約すると、解約返戻金は払込保険料よりも少なくなり、元本割れのリスクがあります。
一定期間内に解約すると返戻金がない商品などもあるため、注意が必要です。
老後資金準備に個人年金保険が向いている人・向いていない人
個人年金保険はすべての人に適しているとは限りません。
老後資金の準備として個人年金保険を活用するのが向いている人・向いていない人がそれぞれどんな人かご紹介します。
自分に個人年金保険が向いているのか確認してみましょう。
個人年金保険が向いている人
次のような人は、個人年金保険で老後資金を準備するのが向いています。
- ・計画的に積み立てていくことが難しい人
- ・貯蓄型の生命保険に入れない人
- ・金融知識に自信がない人
個人年金保険は、自動的に老後資金を積み立てられるため、手元にお金があると使ってしまう人にはおすすめです。
貯蓄型の生命保険で老後資金を積み立てる方法もありますが、健康状態に不安があって生命保険の加入が難しい場合は、個人年金保険がその代わりの選択肢になります。
また、投資などの資産運用に不安を感じる方にとっても、個人年金保険は比較的リスクが少なく、安心して老後資金を準備できるでしょう。
個人年金保険が向いていない人
次のような人は、個人年金保険で老後資金を準備するのに向いていません。
- ・保険料の支払いが負担になる人
- ・自分で資産運用したい人
収入や貯蓄に余裕がなく保険料の支払いが生活を圧迫するような場合は、急いで個人年金保険に加入する必要はありません。
また、金融知識があり、自分で積極的に資産運用したい方は、保険よりも投資などのほうが得られるリターンが大きくなる可能性もあります。
個人年金保険以外で老後資金を準備する方法
貯蓄や個人年金保険以外で、老後資金を準備する方法をご紹介します。
個人年金が向いていない方や、別の選択肢を探している方はぜひ参考にしてみてください。
終身保険(生命保険)
終身保険は、死亡保障が一生涯続く貯蓄型の生命保険です。
万が一の場合に死亡保障を備えるとともに、資金が必要になったときには解約して解約返戻金を利用できます。
確定拠出年金
自分で掛金を設定し、投資信託や定期預金、債券などの金融商品を選んで運用する仕組みです。
掛け金の全額が所得控除の対象となり節税効果が期待でき、受取時も各種控除で税金が軽減されますが、運用するものによっては元本割れのリスクもあります。
また、年金なので、原則60歳まで引き出すことができない点はデメリットといえるでしょう。
NISA(少額投資非課税制度)
投資で得た利益が非課税になる制度です。
2024年1月から新NISAとして拡充され、生涯で1,800万円まで投資で発生した利益が非課税対象になりました。
引き出し制限がないため、60歳までに引き出す可能性がある人は使い勝手が良いでしょう。
老後資金を個人年金保険で備えるメリット・デメリットを知ろう
ゆとりある老後生活をおくるには、公的年金だけでは老後資金が不十分な場合が多く、公的年金の不足分を補う方法として、個人年金保険という選択肢があります。
個人年金保険には「終身年金」「有期年金」「確定年金」の3種類があり、支払い方法や受取額などもそれぞれ選択できます。
老後資金を個人年金保険で備えるメリットには、計画的な積み立てや節税効果、安定した受取金額などがありますが、インフレリスクや途中解約による元本割れのリスクといったデメリットも。
個人年金保険に向いていない方やほかの選択肢が気になる方は、終身保険や確定拠出年金、NISAなどの制度もチェックしてみましょう。
もしもの場合に備えて、火災保険の見直しも一度検討してみてはいかがでしょうか。
支出を抑えることも、収入を確保することと同じくらい大切です。
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